1 はじめに確認すること
診療報酬請求事務能力認定試験や医科2級医療事務実務能力認定試験ではレセプトを手書きで作成する問題が出題されます。施設概要や施設基準の届出状況、職員の配置状況、診療時間(標榜時間)などが問題の表紙や問題文の最初に記載してありますので、最初に確認しておきます。
施設概要で重要なことは、診療所なのか病院なのか、病院の場合はベッド数を確認します。施設基準の届出状況や届出は要さないが施設基準等を満たしている状況では、検査や画像診断の管理加算、明細書発行体制等加算、夜間・早朝等加算、入院基本料加算の状況をチェックし、算定もれのないように注意します。職員の配置状況では、常勤薬剤師の有無、常勤病理診断専門医の有無などを確認します。
カルテ表紙にざっと目を通し、生年月日から年齢を割り出し、6歳の場合には誕生日と診察日から未就学児または就学児なのかを判断します。処方料や処方箋料など3歳未満の加算ができるものもあるので、カルテに年齢を目立つように大きく書いておくとよいでしょう。
2 カルテに診療区分番号を記載
カルテ右側「処方・手術・処置等」の内容から診療区分を判断し、行頭に診療区分番号(2桁の数字)を書きます。診療区分番号は 11:初診、12:再診、13:医学管理、14:在宅、20:投薬、30:注射、40:処置、50:手術・麻酔・輸血、60:検査・病理、70:画像診断、80:その他(リハビリ、処方箋料など)、90:入院、92:特定入院料・その他、97:食事・生活となっています。数字を覚える必要はなく、レセプト用紙の算定欄に記載されているので、慣れるまでは見ながら該当する番号を書いていきます。
基本診療料(初診料、再診料、外来診療料)は、診療月日付近に記載します。時間外等加算が算定できる場合は「時間外」「休日」「深夜」、再診で外来管理加算を算定できる場合は「外来管理」「外管」など、自分でわかりやすい略号を書いておくと、算定漏れを防ぐことができます。
投薬と注射はさらに細かな番号を記載します。院内処方の場合、21:内服薬、22:屯服薬、23:外用薬、院外処方箋の場合は80:その他(処方箋料)を記載します。注射の場合、31:皮内、皮下及び筋肉内注射、32:静脈注射、33:点滴注射やその他の注射(間接腔内注射など)です。
3 上書き部分の記載
次に、カルテの表紙を見ながら解答用紙(レセプト用紙)の上書き部分(初診より上の部分)を記載します。まずは、何年何月分のレセプトであるか、空欄に数字を記載し、氏名と生年月日をカルテから正確に転記します。保険種別1・2欄と本人・家族欄は、該当する数字に〇を付けます。文字には〇を付けないでください。次に、傷病名、診療開始日を記載しますが、傷病名は主病名を先に記載します。(主)の記載は病名の前でも後でもどちらでも構いませんが、カルテに記載されているとおりに転記するのが無難でしょう。傷病名の転帰欄は、該当するものがあれば「治ゆ」「死亡」「中止」の文字にも忘れずに〇を付けます。給付割合欄は、国民健康保険の場合のみ数字に〇を付けます。社会保険と後期高齢者医療の場合は空欄にします。診療実日数欄は、カルテを見て診療日が何日かを数え、上段の「保険」部分に記載します。同日再診、同日電話等再診、同日に複数科を受診した場合などは1日として数えるため、同一日なのにカルテに分けて記載されていますが日数を複数日とカウントしないように注意してください。外来レセプトで記載漏れが多いのは、保険医療機関の所在地及び名称欄の右下にある「病床数」です。病院が外来診療料や特定疾患療養管理料を算定する場合には、必ず病床数を記載します。
4 算定欄、摘要欄の記載
上書き部分より下の摘要欄(レセプトの右半分)は、左端の細い列に診療区分番号の小さい方から順に記載していきます。すぐ右側に、カルテに書かれている内容から算定できる診療行為等の名称、点数×回数を記載します。手書きレセプトの場合、名称の代わりに略号を記載しても構いません。摘要欄を記載したら算定欄(レセプトの左半分)に回数、合計点数を記載します。算定欄の右端の公費分点数欄に誤って点数を記載しないように注意してください(試験では公費分点数を記載する問題は出題されません)。
投薬で算定する院内処方の調剤料、処方料、麻薬等加算、調剤技術基本料はカルテに記載がありません。調剤を実施した回数、処方した回数をカルテから読み取ったり、薬価基準に麻薬や向精神薬の記号がないかを確認したりして、点数、回数、合計点数を算定欄に漏れのないように記載します。忘れる人が非常に多いです。また25:処方料についてですが、特定疾患処方管理加算や外来後発医薬品使用体制加算が算定できる場合は、摘要欄に名称や略号の記載が必要になります。その他欄では、処方箋料の名称、点数、回数を記載します。カルテに処方内容が記載されているため、薬価基準を見て一般名の記号がないかを確認します。一般名で処方されている薬が1品目でも入っていれば、一般名処方加算2を処方箋料と併せて算定します。また、2品目以上処方していて、すべての薬が一般名で記載されていれば一般名処方加算1を処方箋料と併せて算定します。加算の名称がカルテに書いてあるわけではないので、自分でカルテの記載から判断しなければなりません。院外処方箋の場合、カルテに処方された薬剤名が記載されていますが、試験では薬剤名をレセプトに記載する必要はありません。
入院欄では、入院年月日を記入し病院・診療所別の該当する文字を○で囲みます。入院基本料について、該当する入院基本料の種類や加算の略号、1日当たりの点数、日数を算定欄に記載します。1日当たりの点数が複数ある場合には、行を変えて記載します。摘要欄には、入院基本料や加算の内訳を記載します。食事・生活欄には、カルテを見て食事を提供した回数を数え、食事療養費1食当たりの単価、回数を記載します。食堂加算を算定できる医療機関の場合には、食堂加算単価、日数を記載します。食堂加算は1日1回算定のため、1食でも食事を提供している場合は算定できますが、1日3回提供していても1回しか算定できませんので食事回数と食堂加算算定回数の数え間違えにして注意して下さい。入院時食事療(Ⅰ)の施設基準の届出が出ている場合、食事・生活欄の「基準」の文字の後に「Ⅰ」と記載します。
5 合計点数の計算
すべての記載が終わったら、初診料からその他まで(入院の場合は入院料まで)算定欄の点数を合計し、レセプト下段にある療養の給付欄の請求の列の保険部分(最上段)に合計点数を記載します。食事・生活療養欄にも、請求の列の保険部分(最上段)に食事回数、食堂加算や特別食加算を含めた合計請求金額、右側の標準負担額欄に標準負担額の合計金額を記載します。標準負担額は1食当たり標準負担額×食事回数の合計額です。
カルテを見て診療区分番号の小さい方から順に記載していきますが、記載が終わるごとにカルテの該当部分にチェックを入れるなどして、合計点数を計算する前にすべてのカルテの項目にチェックが付いているかを確認すると算定もれが防げます。
生徒さまからの感想メール(抜粋)
・専門学校の集団授業とはぜんぜん違います。学校では質問できる雰囲気ではなかったので、疑問がすぐ解決できるっていいですね(北海道札幌市)
・分からない所をまとめてたくさん質問したのに1時間分のレッスン料しか請求されなかったので本当に経済的です(東京都町田市)
・オンラインレッスンは本当に簡単に始められるのでいつも利用しています(京都府京都市)
・他社の講座で使っていたテキストをそのまま使って教えてもらえたのでとても満足です(大阪府大阪市)
・就職前にコンピューターレッスンは絶対やった方がいいです。レセコンの先生ありがとうございました(広島県広島市)
・調剤事務講座は本当に1日でレセプトが書けるようになって自分でもビックリです(群馬県高崎市)
・独学でのブランクがあったのに試験に1回で合格できました。先生には本当に感謝です(宮城県仙台市)他多数
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